【グレード4】打楽器六重奏
使用楽器:グロッケン、シロフォン、ヴィブラフォン、マリンバ(4オクターブ1/4)、ティンパニ、チャイム、ウッドブロック、トムトム、カウベル、サスペンドシンバル、ウィンドチャイム、(他効果音としてマラカス、トライアングル、ウッドチャイムなど自由)
この曲はアンサンブルコンテスト用に作曲した委嘱作品で、「鍵盤楽器3名と打楽器3名によるリズミックで聴きやすいメロディの曲を」というリクエストから構想を練りました。学校にある楽器で演奏できるよう、楽器編成や鍵盤の音域も考慮してあります。
音楽は「失われた宮殿」というタイトルに沿う架空の物語を表現しています。
ある高い丘に、大きな宮殿があります。昔はたくさんの人々で賑わっていたその宮殿も、今では誰も寄り付く事なくひっそりとそびえ立っています。
近くの町では、奇妙な噂が。夜になると、宮殿に住み着いている過去の亡霊たちが騒ぎ出し、不気味な笑い声が聞こえるのだそうです。
静かな丘の方から聞こえる音に、耳を澄ましてみましょう。さあ、今夜も盛大な晩餐会が始まります。
曲は亡霊たちが目覚め、晩餐会で大騒ぎをし、朝の訪れと共に姿が見えなくなる様子を追いかけており、「オルゴール風の綺麗な導入部、軽快なテンポの主要部分、導入部を壮大に変化させたラスト」という流れで構成されています。主要部分は亡霊たちの騒がしくも儚げな晩餐会の様子を表わし、リズミックなメインテーマと、導入部を模したサブテーマの2つのメロディが出てきます。各パートのソロが徐々に重なり激しくなると晩餐会は終盤を迎え、また2つのテーマが少しだけ形を変えて現れると、亡霊たちが最後の力を振り絞って消えるように終わります。
効果音の多用や5拍子のメロディなど、少し不思議で面白い打楽器6重奏です。月明かりの時間にだけ存在できる亡霊たちの歓喜の姿をお楽しみください。
(
嶋崎 雄斗)